思考力の育成

なぜ、思考力が大切か?



大人になったら、誰でも必ず必要な能力というものがあります。

それはまず2点、それは「処理力」と「集中力」です。それはどんな仕事においても、「スピード」と「正確性」が必要ということです。この2つの基本がなければ、どのような仕事に就いても、まず活躍できないということです。この2つの能力については,日本人は高い能力を持っていると言われています。小さな国土の日本が世界でこれだけ発展したのは、「高品質」、「納期厳守」などというように、工業国家として、これらの能力が高いことが深く関係していると思います。また、日本の教育はこれらの能力の育成は充実していて、昔なら「そろばん」、今なら「公文式算数」、「百マス計算」というものが普及しています。

しかし、現在は「知識基盤社会」といって、「知的生産性」が高くなければ、仕事では活躍できないと言われています。工業生産は中国や東南アジアなどの海外にシフトし、単純な知的労働はコンピューターが全部やってしまいます。そうなると、「構築力」や「創造力」のような能力が必要になってきます。将来、収入の高い仕事に就くためには、絶対に必要な条件です。そのための基礎能力として、小さい頃から鍛えていなければいけないものが、「思考力」なのです。しかし、「国語」や「作文」や「読書」といった間接的な指導はあるのですが、「思考力」そのもののトレーニングプログラムはほとんどありません。


「知的生産」というのを単純な図式に直すと、上記のようになります。
インターネットや書物で調べたり、人から聞いた情報や知識をインプットして、頭の中で組み立てて、説明や発表などの形でアウトプットする。つまり、「理解する」、「考える」、「表現する」の一連の流れです。そして、この一連の流れに使う基本ツールはことばです。つまり人間はことばでものごとを考えているということです。

なぜ思考力は育たないのか?

国際的な学力調査における日本のこどもたちの思考力のレベルが問題視されています。原因のひとつに、日本の教育はインプット中心型という原因があります。「暗記させる」、「読書をさせる」などインプットする機会はかなり充実しているのですが、「伝える」、「表現する」、「発表する」などアウトプットする機会は少ないのです。「とにかく、たくさん詰め込んでおけば、出す方はなんとかなるだろう。」という感じになっています。
思考力を高めるには、アウトプットの機会を多くすることが最も大切です。つまり、こどもを表現しなければならない緊張状態に常にさらすことです。それにより、自分の言いたいことを、他者にちゃんと伝わるようにするために、それに必要な知識や、表現方法を一生懸命インプットするようになるということです。本を多く読ませるなど、知識を多く蓄えることももちろん大切なことなのですが、アウトプットという機会があるからこそ、インプットもより充実するのです。


日本のこどもたちの思考力が伸びない理由のもうひとつに日本語の問題があります。日本語にはひらがな・カタカナ・漢字があり、アルファベットだけの欧米など諸外国と比べ、文字の習得に時間がかかります。小学校の教育はまず文字の習得に力を入れますので、思考力の発達も文字の習熟度や記述力にペースを合わせてしまうのです。
文字の習熟度や記述力にペースを合わせずに、まずは、会話ベースで思考力をグングン伸ばしていくことが大切です。会話でしっかりと相手に伝えられるようになれば、文章力は後からついてきます。筋道立てて話す習慣、つまり、「会話表現力」を磨けば、「思考力」も自然と成長します。
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